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【第1回】人材派遣業界について
はじめに、派遣業界の現状と動向についてお話します。
派遣業界は、日本で発展してから約30年くらいのまだ新しい業界です。2000年代に入り急速に需要が増え、世間でも認知されるようになってきたため市場規模も広がってきました。
私は2005年4月に、大手人材派遣会社へ新卒入社しました。その前後の時代が1番のピーク、伸び盛りの時期だったように思います。(残業も多かったですし、受注表が分厚かったのを覚えています)
業界の現状
実際に人材派遣業界の過去の推移データを見ますと、2003年から2007年まで急拡大をしていましたが、2008年に下落に転じています。 規制緩和、少子化、若年女性の人材不足などを背景に人材派遣需要は大幅増。2007年には過去最高益を記録する企業が続出し、ここ数年で人材派遣業界は急成長を遂げました。
拡大を続けてきた人材派遣業界ですが、2008年秋のリーマンショック以降、環境は激変。国内企業の雇用環境が急速に悪化し、製造業を中心とした雇い止め、中途解除などいわゆる『派遣切り』は社会問題にまで発展しました。(※http://gyokai-search.com/3-haken.htmより抜粋)
上記の影響は、目に見えて分かる状況でした。企業からの人材募集(受注)の量が極端に減り、合わせて時給の値下げや求めるスキルの強化といった厳しい条件での人材探しをしなくてはならない状況でした。 逆に、登録スタッフの増加により、お仕事の紹介が出来ず余ってしまっているスタッフが増え、また、一方でスキルの高いスタッフの減少という状況を引き起こっていました。上記により、双方にベストなマッチングが困難な状況が加速していきました。
今後は、社会状況や景気動向に合わせながら、上手く共存できるようなスタイルで派遣を活かしていけるよう考えていかなくてはならないと思います。
派遣会社の仕事内容
次に、派遣会社の仕事内容についてお話します。派遣会社によって異なりますが、営業とコーディネーターに分かれているところが多いです。営業は、企業から人材採用の案件を受注したり、派遣スタッフのお打合せと企業への提案を行います。あわせて、既存の企業や就業中スタッフのサポートを兼務しています。
コーディネーターは、派遣登録スタッフの受け入れ・お仕事の紹介(電話営業です)やキャリアシートの作成等を行います。※主に電話での対応がメインです。
どちらも、月の目標数字を持つ、営業要素の強い職種であり、時には強く推して決定を進めることがありましたが、企業と派遣スタッフ両者のより良いマッチングを1番に考えて日々ご提案を進めております。
特徴や制度
最後に派遣会社の特徴や各制度についてです。人材派遣業界は大手数社と他に無数の会社で形成されています。オールジャンル(事務職・エンジニア・医療等)を取り扱うところもあれば各ジャンルごとや専門職ごとに特化した派遣会社も多くあります。商品・資産を持たないこの業界は他社との差別化を図るのがとても難しいです。
1人の派遣スタッフは同時に数社の登録をしているのが一般的なので、各社で独占することは難しくなっています。同じスタッフに他社と同じタイミングでお仕事の紹介をしてしまうケースもありました。
そんな中で、各社サービス内容での差別化を図るようになっておりました。私の働いていた会社の1番の強みは、「スピード」。企業へは、より迅速に派遣スタッフをご提案しすこしでも早く人員を埋め、業務に支障が出ないようなサポートを心掛けています。
派遣会社によっては、面談のサポートや無料のスクール(OA・言語・グラフィック等)を開催したりと、派遣スタッフへの様々なサポート制度を用意しています。
派遣会社の仕事は、相手が物・商品では無く「ヒト」という感情のあるものが対象になっているため予測が難しく、大変な業種です。その分、信頼と努力で積み上げていくことが出来る、面白みを秘めていると思います。人材派遣業界で働く方々は、このような魅力を感じ、「ヒト」と「ヒト」のマッチングを任務に、日々頑張って取り組んでいます。
次回は派遣で選ばれる人材についてお話しします。